平成29年大井町議会第3回定例会が別紙【平成29年大井町議会第3回定例会】のとおり開催されました。
一般質問では、「大井町公共施設等総合管理計画について」、「防犯に強いまちづくりについて」を質問しました。
大井町公共施設等総合管理計画について

この計画は、計画期間を平成29年度から平成68年度までの40年間とし、今年度からの計画としています。多くの財政負担を伴う「公共施設等の更新問題」を正面から捉え、「更新費用や維持管理費用の削減策」とともに「財源確保の課題」を示す重要な計画だと考えます。
そこで、平成29年3月に「大井町公共施設等総合管理計画」が策定された本計画について次の質問をしました。
【質問】
- 総量の適正化として、公共施設の更新率を70%とすることの具体策は
- 30%の総量削減をしても平成53年には累積赤字77億円と試算されていることへ対応策は
- マネジメントの実施体制等の進捗状況について
- 3-1.公共施設等マネジメントの推進体制の整備は
- 3-2.行動計画の策定は
- 3-3.施設情報の整備は
- 3-4.計画的な維持修繕と長寿命化
- 3-5.町民への情報共有
【答弁】
- 1については、施設の更新時に、利用状況や管理コスト等を勧案し適正化に努めたい。
- 2については、基金の活用や有利な補助金、起債等を検討し、累積赤字の抑制に努めたい。
- 3-1については、総務安全課に公共施設管理部門を設置し、施設所管課、財政所管課を含む検討委員会を組織する等全庁体制で推進することとしている。さらに、町三役、課長等による「政策推進会議」において施設の整備方針等を整理・検討することにより次のステップにつなげたい。
- 3-2、3-4については、早急に更新が必要な公共施設についての個別計画を策定し、これを行動計画等としたい。
- 3-3については、固定資産台帳を基に、施設別に資産情報、利用状況、管理及び管理コストを含めた「施設カルテ」を整備した。
- 3-5については、施設の更新を検討する際には、説明会の開催等町民の意見を取り入れて進めていかなければならないと考えている。
田村の考え
この計画では、資産更新費用は、建物等で約143億円、 道路や橋梁等のインフラ(下水道除く)で約114億円、総額約257億円と試算されています。公共施設の更新必要額を70%に抑制した場合でも、累積資金収支は、平成53年(2041年)に最大77億円の累積赤字と試算しています。
このことから、総量の適正化による抑制を基本的な方針として、今後 50 年間に公共施設について、更新率を 70%(30%の総量の削減)とすることを目標としています。
具体的には、個別更新計画策定時に検討し、50年間のなかで考えていくとしていますが、更新率70%が妥当なのかどうか、この計画策定時にパブリックコメントを実施する等計画の情報公開と問題の共有化が図られていませんでした。
「施設の更新を検討する際には、説明会の開催等町民の意見を取り入れて進める。」としているので注視していきたいと考えています。
防犯に強いまちづくりについて
防犯カメラの犯罪抑止力としての効果は周知の事実である。
そこで、町内の防犯に役立てる狙いで交通事故や犯罪など画像情報を記録するドライブレコーダーをすべての公用車に設置し、また、町民の方々にも参画を促す施策が必要と考えるので次の質問をしました。
【質問】
- 全ての公用車へのドライブレコーダーの設置
- ドライブレコーダー設置促進事業(補助)を導入
【答弁】
ドライブレコ-ダ-の動く防犯カメラとしての効果は認識しているが、町としては、防犯カメラを年に1台ずつ設置していきたい。
田村の考え
ドライブレコ-ダ-の動く防犯カメラとしての効果を狙った施策の提案をしました。
他の自治体では、既に実施しているところもあります。少なくとも、全公用車へのドライブレコ-ダ-の設置を宣言することは、本町の防犯に取り組む強い姿勢を示すことに繋がるものです。
引き続き他自治体の動向を注視し、提言をと考えています。
この議会で特に注視した点について
【1点目】「決算認定:第1号~第6号について」
決算認定においては、「平成28年度大井町一般会計」について、「決算審査特別委員会」を設置し、審査を行いました。8名の委員による活発な質疑が行われました。
田村からの質疑のうちの主なものを次に記します。
- 【問】町民税の個人と法人の滞納繰越額について、前年決算の調定額と差異があるが。
【答】個人分については、出納閉鎖期間後の税更生や県民税の按分によって差異が生じている。法人は、調定より多い納付があり、還付、充当処理の判断ができなかったため処理ができず差異が生じている。 - 【問】教育費の備品購入費について、ノ-トパソコンの入札による購入が8月であれば、不用額を早期に補正による減をすることで財源確保に繋がるのでは。
【答】そのとおりである。今後補正対応していく。大井町では、年度途中で新たな事業をしてこなかったが、今後は議会の皆様の承認、ご理解をいただきながら検討していきたい。 - 【問】預り保育の長期休業中保育料について、「大井町立幼稚園保育料等徴収条例」に規定がなく「要綱」で対応している。条例に規定していく考えは。
【答】条例上規定すべきと認識しており、今後条例改正を行っていく。
田村の考え
「決算審査特別委員会」が設置されたのは、本町では初めてのことだそうです。
本会議場での説明、質疑で終わらすことなく、「決算審査特別委員会」を設置し審査を行うことで、執行状況をより深く検証することができます。
予算審議をしている、定期監査受けているからから良しとするのではなく、執行状況を検証することにより法的に問題はないか、また、手法に問題はないか等を確認し、結果、是正へと繋がることにもなります。
このことは、議会の審査力、議員一人ひとりの質の向上をもたらすものだと考えます。
【2点目】議案第34号「大井町水道事業給水条例の一部を改正する条例」について」

本議案の改正案は以下となります。
- 水道使用料を平均で18.38%値上げする。
- 平成30年4月1日から施行する。
- この値上げによる財源は、水道施設の更新に充当したい。
田村の考え
値上げ率は18.38%としているが使用水量の少ない世帯ほど値上げ率が高くなっています。また、今回は管渠の更新費用は試算されていないため、近い将来この更新費用を負担するための値上げが想定されています。
このことから、今回の値上げ率は、できるだけている低く抑えるべきとして「修正案」が提出されました。田村もこの修正案を「是」とし賛成討論を行いました。
【賛成討論】
議案第34号大井町水道事業給水条例の一部を改正する条例は、水道料金を平成30年4月から平均で18.38%とし、大幅な引き上げを図るとする内容です。
本修正動議による「議案第34号大井町水道事業給水条例の一部を改正する条例に対する修正案」は、原案に対し、大幅な引き上げの低減を図り、全ての町民の皆さんの生活に深く関わる、水道料金の値上げによる家計への打撃、負担を軽減するものです。
原案の引き上げは、引き上げ率を全体で18.38%とし、2か月当たりの基本水量を20㎥から16㎥に引き下げ、基本料金を1,360円から1,660円に引き上げるものです。この基本料金の引き上げは、22%となります。基本水量を引き下げたことによる17㎥から20㎥までの使用者に対しては、二重値上げとなるため、軽減措置を適用しています。他の料金区分では、細分化を図る等の考慮はしていますが、使用水量の少ない世帯ほど、値上げ率、値上げ金額が大きなものとなります。
例えば、2か月で30㎥使用の場合、現行料金では、2,386円ですが、改定料金では3,045円となり、引き上げ額は659円、引き上げ率は約28%になります。
給水人口の減、節水意識の向上等による、水道料金収入減の補填、施設の更新のための財源確保等のために水道料金の改定、引き上げが必要であり、かつ、水道事業の健全経営のための引き上げが求められているとしても、18年間も放置してきたことと、併せて、町民への情報不足は、否(いな)めません。
今回の水道料金引き上げの大きな理由は、
・老朽化した施設の更新費用の財源を確保すること。
・平成30年に予想される水道事業会計の赤字回避のための財源を確保すること。
だとしています。
「水道料金改定について」の(諮問)に対する平成29年5月9日付大井町上水道事業運営協議会からの答申の附帯意見では、
・3年から5年の水道料金の見直し
・町民への分かりやすい周知の必要性
等が述べられています。
しかも、今回は試算されていませんが、今後、予定される管渠、すなわち、地中に埋設された送水管等の更新費用にも莫大な財源が必要とされています。このことは、管渠更新のための財源確保のために水道料金の再値上げが近々行われることが想定されます。
もちろん、老朽化した施設の更新費用や管渠の更新費用の財源確保等のために、応分の負担を利用者に求める料金改定を看過し、否(いな)やとするものではありません。
将来必要とされる、施設の更新費用や管渠の更新費用の全体計画を示し、そのための財源確保等のため、必要とされる水道料金としての負担額を町民に示すべきです。併せて、町民の理解を得ていくことが必要です。
原案の改定は、管渠の更新費用の財源確保には触れず、施設の更新費用、水道事業会計の赤字回避等の財源確保を主な理由としています。
このことから、今回の水道料金の引き上げは、
・管渠の更新費用を含めた全体計画が示されるまでの暫定的のものとし、可能な限り、引き上げ率を抑える ものとすべきであること。
・水道事業者の説明責任として施設、管渠の更新費用等の情報を町民に示し、引き上げ幅の共有化を図ること。
等が求められているといえます。
したがって、今回の水道料引き上げ幅は、平成30年に予想される水道事業会計の赤字回避をするために必要な財源確保、当面必要な更新費用の財源確保の範囲内とすべきです。
そのために、今回の引き上げ案の説明のなかでは、改定率18.38%案と15%案が示されており、15%案でも対応可能としています。本修正案はこれをべ-スにしたものです。
このことから、町民の皆様の家計に与える負担軽減を図る「議案第34号大井町水道事業給水条例の一部を改正する条例に対する修正案」は、町民の皆様の理解を得られるものと考えます。