2019年6月21日
【令和元年大井町議会第2回定例会】の報告(議案)

議案では、下記議案で特に注視したことを述べます。

  1. 議案第29号 大井町総合計画審議会条例の一部を改正する条例
  2. 議案第35号 令和元年度大井町一般会計補正予算 (第1号)

「議案第29号 大井町総合計画審議会条例の一部を改正する条例」について

(提案理由)次期総合計画の策定及び運用に当たっては、大井町まち・ひと・しごと創生総合戦略とあわせ、金融分野や言論分野等の委員を加えて幅広く意見を求めたいことから所要の改正をしたいとするものでした。

「大井町総合計画審議会条例」の組織は次のように規定されており赤字の部分に改正するものでした。

第3条 審議会の委員は、1714人以内で組織する。
2 委員は、次の各号に掲げる者について、町長が任命する。

(1) 町議会の議員 2人
(2) 町教育委員会の委員 1人
(3) 町農業委員会の委員 1人
(4) 自治会長 3人
(5) 町の区域内の公共的団体の役員及び職員 3人
(6) 学識経験を有する者 4人
(7) その他町長が認める者 3人

田村の考え

【1】「(7) その他町長が認める者 3人」を加えているが、「金融分野や言論分野等」を加えるとするならば「(6) 学識経験を有する者 7人以内」と表記した方が良かったのではないか。
【理由】
  1. 「金融分野や言論分野等」の方々も「学識経験を有する者」ではないか。
  2. 条例の表記は従前から質していることであるが、町民に具体的に表記し、分かりやすいようにすべきではないか。
【2】重要な問題

条例と予算はセットで提案されるべきであるが報酬の予算は、当初予算で17名分(134,000円)が計上されていたことである。
本来は、この条例改正とともに、予算措置が取られるべきものだった。地方自治法では、次の規定があり、抵触するのではないかと指摘をした。

(予算を伴う条例、規則等についての制限)

第二百二十二条 普通地方公共団体の長は、条例その他議会の議決を要すべき案件があらたに予算を伴うこととなるものであるときは、必要な予算上の措置が適確に講ぜられる見込みが得られるまでの間は、これを議会に提出してはならない。

2 普通地方公共団体の長、委員会若しくは委員又はこれらの管理に属する機関は、その権限に属する事務に関する規則その他の規程の制定又は改正があらたに予算を伴うこととなるものであるときは、必要な予算上の措置が適確に講ぜられることとなるまでの間は、これを制定し、又は改正してはならない。

議案提案の前にこのことについて全く説明がない。分からなければこのままにしておこうとする態度が見え見えである。

法の適正な執行者であるべき行政が漫然とこのようなことをして良いのか。議会も甘く見られていたものである。議会軽視としか言いようがない。

本来なら、このことで審議をストップし改めて取り扱いを協議し、謝罪を求め対案を出させるところだが本会議の席上で副町長に謝罪させ収束させることにした。行政と議会の力関係では、ここまでが限界と感じているし、執行(町)側に緊張感を喚起する意味で有効だったと考えている。

議案第35号 令和元年度大井町一般会計補正予算 (第1号)

議案第35号では「旧第8分団詰所 修繕料¥523,000-について」です。

【事実経過】

  1. 5/20議員全員協議会席上で「(一社)神奈川大井の里体験観光協会」が郷土資料館に移る。「郷土資料館」を利用していた団体が旧第8分団詰所に移ると話しがあった。

  2. 議案第35号令和元年度大井町一般会計補正予算 (第1号)では、旧第8分団詰所 修繕料¥523,000-が計上されていた。

【問題点】

  1. 「大井町立の郷土資料館」ギャラリ-を貸していた事業者の移転先として改修するのであればどのような根拠に基づくのか。
    1. 賃貸借契約上の債務なのか。
    2. 単に空いていたから貸した。しかも、使用料の金額で貸していたなら移転先を紹介するまではいいが、公費を投入し改修し提供することは、公金の支出として適切なのか。改修し、地域の集会施設として利用、行政目的(防災倉庫)として利用ならばともかく一企業、私人に対するこのような供与は適切なのか。
  2. この施設が「大井町立の郷土資料館」ならば
    1. 使用料ではないのか。(※公の施設なら使用料。普通財産、行政財産なら賃貸料でも可)
    2. 公の施設のまま、行政財産の使用許可をし、賃料収入とすることは地方自治法上不適切なことではないか。
    3. 改めて予算書をみると財産収入で「郷土資料館賃料130,000円」が賃料として計上されていた。これはどのような理由からか。条例と違った取り扱いをしていたのかという問題である。

以下が条例全文及びホームぺ-ジである。

大井町立の郷土資料館及び農産加工所の設置に関する条例 (趣旨) 第1条 この条例は、農業環境整備事業により建設した郷土資料館及び農産加工所の設置に関し、必要な事項を定める。 (設置) 第2条 大井町に郷土資料館及び農産加工所を設置し、それぞれの名称及び位置は、次のとおりとする。        名称:大井町郷土資料館  位置:大井町柳248番地 名称:大井町農産加工所  位置:同 (事業) 第3条 前条の施設は、次の各号に掲げる事業を行う。  (1) 郷土資料館 農具及び生活用具を通じての郷土文化の知識並びに都市住民との文化交流の普及及び向上に関すること。  (2) 農産加工所 伝統的自然食品の伝習と地域農産物の加工及び実習に関すること。 (お山のギャラリー) 第4条 郷土資料館に、都市住民との文化交流施設としてお山のギャラリーを設ける。 2 前項のお山のギャラリーを利用しようとする者は、町長の承認を受けなければならない。 3 町長は、前項の規定による利用の承認に当たって管理上必要な条件を付することができる。 4 第2項の規定により利用承認を受けた者は、1日当たり500円の使用料を納めなければならない。ただし、1週間の利用承認を受けた者は、2,500円の使用料とする。 5 前項の規定にかかわらず、町長は、次の各号のいずれかに該当する場合は、使用料を減免することができる。  (1) 大井町が利用するとき。  (2) 社会教育関係団体又は自治会組織が利用するとき。  (3) その他町長が必要と認めるとき。 (委任) 第5条 この条例の施行に関して必要な事項は、町長が別に定める。 附 則 この条例は、平成元年4月1日から施行する。 附 則(平成18年3月20日条例第11号) この条例は、平成18年4月1日から施行する。

郷土資料館・お山のギャラリー

1階は写真などを展示するギャラリー、2階は、昔、近隣で使われていた農具や生活用具を保存展示しています。
住所大井町柳248番地
時間8時30分~17時00分
休館日月曜日・年末年始(12月29日~1月3日)ただし、月曜日が祝日の場合は開館します。

2019.06.20現在 ホ-ムぺ-ジから削除か

答弁として、貸付をしており、条例上の使用料を算定根拠としていたとのことである。

地方自治法 (抜粋) (公の施設) 第二百四十四条 普通地方公共団体は、住民の福祉を増進する目的をもつてその利用に供するための施設(これを公の施設という。)を設けるものとする。 2.普通地方公共団体(次条第三項に規定する指定管理者を含む。次項において同じ。)は、正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならない。 3.普通地方公共団体は、住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的取扱いをしてはならない。

田村の考え

「大井町立の郷土資料館及び農産加工所の設置に関する条例」を制定し公の施設としているならば、以下が地方自治法上明記されている。

  1. 施設使用の申し込みがあれば拒否できないこと。
  2. 差別的取り扱いをしてはならないこと。
田村としつぐ

行政目的上公の施設の取り扱いと別の取り扱いをするのならば、条例等の整合性を図ったうえで実施すべきである。条例上の整備を早急に図るべきである。
また、そのことが解決されたとしても、私人に対する移転のための修繕費の支出が適切なのかどうか賃貸借契約等の義務がありとするならば根拠を明確にすべきである。

法律や条例の執行者として、自ら定めたものを適正に執行していない状況があるとすれば執行者として不適格と言わざるを得ない。猛省を求めたい。


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