2020年3月22日
【令和2年大井町議会第1回定例会】の報告(議案)

【令和2年大井町議会第1回定例会】の報告

令和2年大井町議会第1回定例会が別紙【令和2年大井町議会第1回定例会】のとおり開催されました。

議案で特に注視したことを述べます。

議案第30号 大井町議会議員定数条例の一部を改正する条例について

提案理由

議会改革の一環として議員定数の見直しを行い、議員定数を改正したいので提案するものである。

この改正は、次のような内容です。

本則中「14人」を「13人」に改める。

この改正案は、牧野、石井議員、田村の3人で提案したものである。

本会議では、賛成4人で否決となった。現状維持は、安意な選択である。議員一人ひとりの自覚を促すとともに議会の役割と現況を常に検証していく必要性を今後も強く求めていきたい。

田村の考え

田村としつぐ

議案第30号大井町議会議員定数条例の一部を改正する条例は、14名の議員定員数を1名減とし、13名とするもので、提案理由にもあるとおり議会改革の一環として議員定数の見直し行うものである。

本町議会では、議員定数に関し、平成8年3月、20人から18人へ、その後、平成17年6月、平成22年9月にそれぞれ2名ずつの定数削減が行われ、14人とし、現在に至っている。

全国的に定数削減の動きがあるなか、神奈川県内においても同様の動きがみられ、大井町議会も先輩諸兄のもと、前述のとおり定数削減の努力がなされてきた。しかしながら、現在、足柄上郡5町を見るならば、3町は、定数12人として議会運営が行われている現況がある。この点からも本町議会に対し町民からは一層の削減を求める厳しい声が寄せられていることも事実である。

本町議会では、平成30年11月16日付けで議長より、「⑴議員定数 ⑵議員報酬 ⑶その他関連事項 について」 の諮問がなされ、議会運営委員会において平成30年11月から検討が行われた。令和元年5月15日から17日まで、4会場で行われた議会報告・意見交換会で、町民の皆様から議員定数・報酬等に関するご意見をいただき、さらに、検討を進め、平成元年5月29日答申が出された。

答申内容は、以下とするものであった。

  1. 議員定数について:現状の14人を維持する。
  2. 議員報酬について:現在の報酬額を維持する。
  3. その他関連事項について:政務活動費の導入について検討されたい。

答申では、議員定数について「現状の14人を維持する」とした理由を以下としている。

  1. 平成22年に議会改革の取組みで定数を16人から14人に削減していること。
  2. 多様な民意が反映されにくくなること。
  3. 常任委員会等の議会運営上の観点を踏まえ

議員定数については、平成23年地方自治法の改正により、法定上限制度(人口、1万~2万未満の町村:22人)が廃止され、条例に完全に委任されることになった。

町村議会の議員定数削減は、1.議員のなり手不足、2.行財政改革の一環、3.人口減少・将来人口の動向の観点等から論じられてきた。

本来、議会は、地方公共団体の意思を決定する機能、執行機関を監視する機能を担うものとして、同じく住民から直接選挙された長(執行機関)と相互にけん制し合うことにより、地方自治の適切な運営を実現することとされている。このことからすれば、議会運営、特に常任委員会において討議できる人数確保の視点に立っ基た準が求められているといえる。

本町議会常任委員会の委員数は、この意味からも限界に近いものとなっていると考える。しかしながら、委員会の実態をみると、議長は、二つの常任委員会に出席できる(第105条 普通地方公共団体の議会の議長は、委員会に出席し、発言することができる。)ことになっており、発言することはできるが、「指導的立場の発言にとどめることが望ましい。」とされている。このことは、所属する常任委員会は実質減員となっている状況があることは否めない。

また、地方自治法第116条では、第1項でこの法律に特別の定がある場合を除く外、普通地方公共団体の議会の議事は、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

第2項では前項の場合においては、議長は、議員として議決に加わる権利を有しない。との規定がある。

議長は、このように表決権は持たないが、「可否同数のときは、議長の決するところによる」(同条第1項)とし、議長の裁決権を認めている。しかし、本町議会の現況は、過半数議決の原則、議長を除く13人で決することになり、議長の裁決権が具現化されない状況になっている。

これらのことから、定数を1人減にしたとしても、現況から判断すると実質討議に必要とされる人数を維持確保できており、さらに、自治法に定める議長裁決権の具現化をもたらすことができると考える。

また、この一部改正条例により議員削減が実現した場合、削減された議員歳費は、厳しい財政状況のなか見送らざるを得なかった諸施策に充当し、活用すべきものである。開かれた議会、透明な議会を目指す施策等の実現は、議会の活性化を図り、町民の信託にこたえ、信頼され存在感のある議会に繋がるものと確信するものである。

このことから、議案第30号大井町議会議員定数条例の一部を改正する条例は、町民の皆様の負託に応え、理解が得られるものと考える。

議会は、議員のためにあるものではない。

団体意思を決し、執行機関を監視する機能を担うものとして、民意を受け代弁することである。議会が求められている機能を実現するための限界はどこか。自ら問、律し、チャレンジすることが町民の負託を受けた議員一人ひとりに今求められている。


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